読切駄文
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今一萌えないシナリオの作り方参 やる
 え〜今回の駄文は、これ書いてる人が、何を考えてシナリオ走らせているかってところのお話。シナリオ作成は、実際にプレイ終わるまでが作成です。
 前回・前々回と、シナリオ作成のノウハウっぽく見せた文章を羅列しつつ、実は個人的な矜持をゲロしているだけのこの一連の文章、今回は、特に個人的な矜持の部分しか無いと言ってもいいでしょう。
 ということなので、今回の駄文こそ生命の危機を覚えるほどの暇なときに読んでください。
 TRPGのシステム本を入手し、読むだけ読んでやることと言えば、プレイヤーするかゲームマスターでしょう。リプレイオンリーリーダーの方々、ここでさやうならだ。
 そして今話題にしてるのは、ゲームマスターが作り上げた作品、シナリオについてのことだ。アナタはこの作品に惜しみない手間暇をかけたことでしょう、そうでしょう。
 そのシナリオをプレイヤーどもの眼前で展開し、よそでは決して見せないドヤ顔をして「俺様のシナリオに恐れおののき感動し涙しろ」と、心の中で超高笑いすべきである。その許可を、これ書いた人が認可します。
 さて本題ですが、これを書いている人は、わざわざしなくてもいい七転八倒をしてまでで作ったシナリオを、どんなドヤ顔で展開してるか、長々とゲロしていきましょう。
 まず、これ書いている人が、TRTGやる上で大好きなことを敢えて言えば「私は!人をだますのが!大好きだぁ!!」
 あぁ、読者が全力で引いてゆく。
 いやまぁ、もう少し厳密に言うと、そうなったときの「騙された!」顔とか「やられた!」顔がみたいというか、そういった方が正しいのかな?
 しかし、世間は世知辛いもので、リアルに騙された顔を見ようとするなら、詐欺の実行犯かつ詐欺行為がばれたときその現場にいなければならないと、そんな顔を拝むことはできないでしょう。ケ〜サツツ〜ホ〜物ですね。
 ならばテレビドラマや映画・Vシネでも作れば?
 そんな才能もリソースもないし、仮にできたとしても、視聴者の騙された顔を見るにはストーカー並の観察スキルか、心霊現象並のテクノロジーが必要となります。
 う〜ん、全世界がこれ書いてる人の願望を否定している。
 そんな中にも、わずかな光が・・・・TRPG!
 ことがTRPGですから、用意周到にプレイヤーを騙すシナリオを組めば、プレイヤーが実際に騙されたっ!と思っても、シナリオの内容やプレイ内容でケ〜サツに呼ばれたことはありません。このような安心できる環境の中、プレイヤー皆様の騙された顔を、ありがたく戴いております。
 そう、TRPGこそが、呼吸をするように法螺を吹く人のために作られたゲェムなのです。
 さて、TRPGという事故(自己)責任を手にした法螺吹き男爵は、プレイヤー諸氏の「騙された顔」見たさに血のにじむ割にはどうでもいい努力をすることとなりました。
 いきなりですが、詐欺という犯罪、どう思われる?
 犯行は経済的利益のみをピンポイントに、上から下までほぼ計画的犯行。
偶発的詐欺とか、詐欺の動機が「ついカッとなって」など、みれるものなら見てみたい。
 話を戻そう。
 ゲームマスターがプレイヤーの騙された顔をみる方法、言い方は悪いのですが、やり方は詐欺によく似ているのです。
 つまりシナリオは、プレイヤーを騙すための完璧なプロットであります。
 そしてシナリオの結果、騙された顔。
 これは前編フルアドリブや、それに近いやり方では不可能なはず。そんなやり方でプレイヤーが騙された顔となったとしても、ゲームマスターのいい加減さ加減でゲーム展開が迷走しただけでは?
 これ書いてる人は、それを望まない。きっちりかっきり望んだ形で騙されてほしいと、切に望んでおります。
 ここまで確とある意見が予想できます。
「TRPGなんて、何が起こるか話がどう転がるか解らないのに、全体を都合よく管理できないのでは?」
 答:だからこそ書く。書いて書いて書く。少なくともプレイヤーのやんちゃ程度で、シナリオが揺らぐようなことにならないように書く。
 と言う訳で、これ書いている人のシナリオは、プレイヤーが全力でへこたれない限り、大筋が変わることがないように作っております。
 そろそろ実例を見てみましょうと言うことで、例の「西山猫島のキセキ」はどうなってるか?
 このシナリオをのキーの一つ、メインNPCの草田サキがPC@に言った一言「なあ、私もう死んどるみたいなんよ」
 このひとこは、何を言ってしまったのか?
 シナリオギミックから見れば、これはシナリオラストに明かされる解答の一つです。ですがこの人ことは冒頭に出ております。これが騙された顔を見るためのネタ振りの一つ。
 さて件の草田サキさん、自分が関わった作戦において最終目標だった奈落の存在を取り逃がし、命を落とし、それでも諦めきれない心残りがあり、敵であるはずの奈落の力を借りてでも目的を果たそうとします。
 こんな状況の草田サキさん、プレイヤーから見ればどんな人物に見えることでしょう?情報は程良く限定されるので、白黒混じり合ったいい具合のマーブルになることでしょう。
 このシナリオの厄介な点、草田サキさんの状況を、もう少し詳しく見てみると。
・草田サキさんはすでに死亡している。しかし奈落の力により一時的に蘇生し た状態となっている。
・生き返った動機は、SODA−113という対奈落作戦でとどめを刺しきれ なかった奈落の存在を滅しきるため。
・その方法は、シャードが破損したプレイヤーキャラクター達を回復させその 戦力に当てること。
・蘇生とプレイヤーキャラクター回復の条件は、関わった者にそのことを秘密 とすることと、奈落の壊滅に失敗した場合、草田サキそのものが奈落に引き 入れられること。
(蛇足ですが、奈落にとってここまでのお膳立てデメリットがあるかと言えば、クエスターを絶望により奈落墜ちさせれば、クエスタープラスアビスのハイブリッドな奈落の使徒ができあがるというわけです)
 このシナリオ、ここまで草田サキの存在をグレイにしています。
 しかしながら、非常に遠回しなヒントをプレイヤーに提示してもいます。
・草田サキ本人を非常に好人物として表現しています。
・弱っているプレイヤーキャラクターにとどめが来ない。
(様々なフィクションのお約束ですね)
 これを読んでるアナタがプレイヤーだったら、これ書いてる人はこう思って作ってるのです。
 草田サキの意志はシロでも、手段はクロ。それに気が付くかな?
それを前提に草田サキの存在に悩んでほしい。彼女の存在意志は人の世界のためだが、その手段は奈落の手を借りたもの、彼女自身が奈落になりうる可能性が大きいこの方法、彼女のやり方は正しかったのか?
 う〜ん、件のシナリオでは、単にプレイヤーを騙した云々については薄いところがありますが、作った本人としては、「やられた!」と思ってほしく作ったつもりなんですが・・・・
 アナタの作ったシナリオは、アナタの物であり、それをどう運用しようとアナタの勝手、と言えばその通りですが、それでもアナタのシナリオでプレイヤーどもに見せつけたい「何か」があるでしょう。その「何か」の見せつけ方を十分に準備し、そのためのネタやら演出やらでっきるだけ練り込んでおいてほしい。
 長々と書いた割には、こんな程度のことなんです。
14/12/30 11:48更新 /

■作者メッセージ
 シナリオを作れば、それを実際に走らせて終わらせる。シナリオ作成は、そこまでが範囲と言うことです。
 ここまで来れば、あまり言うことはありません。
 シナリオ展開は、アナタの傲慢なまでの願望を表現する場なのです。
 それが言いたかっただけなのです。

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