読切駄文
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中の人に告ぐ
 巨大ロボを意のままに操り、人類の敵(例外多数)と戦い、男のロマンをいろいろとやらかす。ここの集まった人々は、これと似た妄想をたくましくしていることでしょう。
 た・だ、このロボというやつを意のままに動かすというのは、思いもよらない高いハードルが控えているのです。はい。
 まずは○ビルスーツに代表される、レバー&フットバーによるロボの操縦ですが、これを意のままに操縦するというには、あまりにも程遠いものといわざるを得ません。
 よく考えて見ましょう。レバー・フットバー・各種スイッチを操作するということは、次元の低い操作といっているのです。スイッチというものはON・OFFという2極、レバー&フットバーといえど、よくあるのが零から最大の1次元操作、よくても面の操作(プレステなんかのアナログスティックです)をグルグルやるのが関の山です。
 え?それで十分?。いえいえ、意のままに動かすというのは、アナログなまでに足の指まであなたの思うが侭に動かそうというのが、今回の意のままというお話なのです。
 えーまずは、意のままに動かすインターフェイスとして、マスタースレイブシステム(ロボの動きが操縦者の動きと同じになる操縦方法ですね)というやつ、これをどうこう言っていくわけです。
 さて、このマスタースレイブというヤツ、実はどうのしようもないジレンマが存在するのです。操縦者の動きを何らかの方法で読み取り、その動きにあわせてロボが動くように動力を伝達するよう制御する。さて、そのシステムでは、どうしても操縦者とロボの動きにズレが起こってしまうのです。おそらくまっとうな方法をとる限り、どんなに反応を良くしても動きはズレます。
 さてその問題をどうやって解決するか?
 まずは、第1案人の動きをトレースするという方法が問題なら、もっとダイレクトにやってしまいましょう。そう、動きそのものの信号を出すところ「お脳」とロボの制御系を直結してしまいます。そうすれば、動きをトレースするという宿命的ラグタイムから、サヤウナラできるというものです。
 さて話は変わって、このロボというヤツですが、人型という限られた空間に、武器動力超科学を詰め込むだけ詰め込んでおります。はっきりいて、無理があります。
 で、神経直結ロボですが、その状況の解消に一役買ってもらいましょう。ロボの限られたスペースを有効活用するならば、中の人の不要な部分、「デッドウェイトをポイッ」が、できるはずです。大胆に「お脳」以外のところを。
(注;この状態を普通サイボーグといいます)
 なんだかロボを操縦するだけで、人間をやめてしまいそうなので、第2案(チッ、根性無し)
 マスタースレイブそのものにラグタイムが発生するなら、ロボのほうに何とかさせるほうがいいのでは?ロボに搭載されている演算装置とその周辺機器にがんばってもらおうというわけです。
 方法としては、ロボの演算機器の記憶装置の中に操縦者の動きをすべて入れてしまおうという方法。あなたの動きすべてのデータベースを作って、それを元にロボの動きを補助しようとするわけです。なんせ、操縦者が動こうとすれば、その動きを知っているロボが、操縦者の動きの癖のとおり動くわけですから、ラグタイム完全解消に近いものがあるはずです
 先ほどの「お脳」直結よりかなり時間がかかる方法ですが、(動きそのものをデータベースとするわけですから)第1案のように非人道的な結果にはならないはずです。
 さて、ほぼ完璧に操縦者の動きを覚え、あらゆる状況下でその動きを再現できるロボができたとしましょう。そう、ミソは、操縦者の動きそのものができるという点です。ということは、ロボのデッドウェイトとなる部分を第1案よりもさらに進めることができます。今度は操縦者ごといりません。
(注;この状態を普通アンドロイドといいます)
・・・さて、第2案にご不満のある方もいるでしょう。ならば、もってけ○ー○服といわんばかりに第3案を。
 第2案が問題なら、第2案をもう少し改良したこういった方法は?
 操縦者の動きそのものを覚えこませる時間や、そのほかの問題がネックなら、演算機器のほうにがんばってもらいましょう。そうCPUというやつをキンキンに働かせ、操縦者の動きとして可能性のある動きをすべて予測してもらうのです。
 予測してもらうのは、本っっっっ当に予測されるすべてのことです。「その動きは想定外です」と言わせないほどしっかり予測してもらいます。
 さて、当記述者の座右の銘のひとつに、「人間ヒマになるとロクなことを考えない」というものがあります。
 何を言いたいのかといえば、ロボ内演算機器の効率を上げれるだけ上げて、可能な限り先の予測をしてもらう、つまりは中の操縦者のン万倍の予測をしているわけです。と、いうことは、ロボ内演算機器はふとこう思うことでしょう、「中にいるトロい操縦者より、うまくやって見せる!!」と。
 そうなると、そのロボと操縦者はどうなっているか?いつのまにかロボの動きを操縦者が追いかけている。そんなことがロボの中で行われることになるでしょう。後は、「人間イラネ」とロボが言い出すのを待つばかりです。
 そのあたりの悲劇は、がん○むうぃ○ぐのゼロシステムの件で詳しくやっておりますので、よほどお暇な方は見てください。
 ここまで書いてなんですが。それでもがんばれマスタースレイブ

第1回ロボット者オンリーコンベンションパンフ掲載
11/03/28 19:32更新 /

■作者メッセージ
 見ての通り、乗り込みロボット的TRPGオンリ〜コンに向けた、なんだかピンポイント過ぎる駄文。
 タイトルは、某名作コミック、「アドルフに告ぐ」から。
 ま〜、Wガンダムも、モビルスーツの戦術運用を見せようとしていたから、結構お気に入りなんですけどね。オチの一ネタはそんな当たりから。

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