読切駄文
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怪奇微作戦
 時々誰かが欲しいと叫ぶ能力があるという。その能力とは「センスオブワンダー」ってやつらしい。
 このセンスオブワンダーというヤツを、常に発動させ続けるとどうなるか?「他人と話が合わない」「周囲の方が異常なことを考えている」「お前の言うことはわからん」ETCと、天からの才能を持て余すこと多々。それでも欲しいという人も、多いんですね〜。
 で、センスオブワンダーとはなんぞや?なり、どう思いつく?ってあたりが今回のお題。常人にはほとんど役に立たないテク満載で、行ってみよう。
そう、例えば、TRPGのシナリオを作るとしましょう。アナタの作るシナリオがいつも似た様なテイストで、それでもたまにはいつも相手にしているプレイヤーを、あ!!っと言わせたくなることもあるでしょう。
 そんな時、そんな時は本を読もう。
 ・・・センスオブワンダーと銘打っておきながら、そん所そこいらの自己啓発スキルアップ的解説書以下の事をヌかしてどうすると思ってる・・・かな?
仮に今回作るシナリオですが、システムはそんじょそこらに敷き詰められるほどのドスタンダードなファンタジー的TRPGとしましょう。
 ドスタンダードなやり方をするなら、そのシステムなりリプレイ本を読むことでしょう。それではそこから脱却することはない。
 だから今回参考文献にするのは、出来るだけ畑違いの本を選びましょう。
例:他のファンタージーシステムのリプレイ・・・がんばりましょう。
  ライトノベルやそれっぽいコミック・・・なめてるのか!
  ミステリーや歴史小説・・・まだまだぁ!でも、イインジャナイスカ
 多少毛色の変わったシナリオを作るのなら、そのあたりからポイズンなでむぱを受信してムリムリムリンコひねり出したら、できあがり。普通はここで十分。
 しかしセンスオブワンダーを是が非でも目指すなら、これより高いハードルをナントカしないとねぇ・・・
 そうですねぇ、私見ながらどのような文献がセンスオブワンダーを呼び起こすのか?
 せめてタウンぺージ、ご用意可能なら、国税徴収法施行規則ぐらいは読んで欲しいと思います。
 こう言われりゃ、次の疑問はこれでしょう。
「タウンページや国税徴収法施行規則を、どうやってファンタジーTRPGに組み込むの?」
 答え:そこまで知らん。
 最初の方に書いたじゃないですか、常人にはほとんど役に立たないテクが満載って。そんなことが自由自在に出来るテクがあるんなら、こちらがご教授願いたいところです。
 まぁ仮に、自分の脳みそがショートするほど練り込んで作ったシナリオが、結構センスオブワンダーなできだったとしましょう。
 でもセンスオブワンダー的なナニカを造って、それを披露したときに思い知らされるのが、とっても労力の割に合わない作業だった、と、そんな残念感を味わう事が多いんですよ。
 まずアナタが、センスオブワンダー的ナニカを、ドヤ顔で見せつけたときのオーディエンスの反応ですが、
7割:「は?」
2割:「知ってたよ」または、「想定範囲内」って振りをしてくれます。
1割:・・・悲しくて書けません。
 ワンダーなセンスですよ、そん所そこいらの凡夫どもが理解できる訳ないじゃないですか。
 これが残念感の一つ。
 そしてセンスオブワンダーなナニカをポロリしたとき、ポロリされた側の「これは一体何なのか?」とそれの解釈を始めます。
 センスオブワンダーは、その根本を理解された瞬間から、その「ワンダー」的部分が消えていくこととなります。
 人間、解明すべきと思った現象は、出来るだけ解明したいと思いますが、そんな都合のいい現象が世界にアルばかりではございません。
謎の現象に、人類はどのような落としどころを用意しているのか。「わからん」その一言です。
 「わからん」事がわかられたとき、(何だこの日本語)センスオブワンダーは急激に終了します。
 いいですか、ワンダーな事は理解されない現象なんです。ワンダーな部分が、「わからん」ことと理解されたことは、正しい結論が着いたことと同じ効果が出たのと同じ。理解不能なことを「わからん」と思ったとき、アナタはその先を何の展開の見込みもなく思考しますか?と言うことです。
 人からの理解から意味無く遠ざかり、思考の苦労の割には得るものが少ない「センスオブワンダー」それでもやってみたいと思うなら・・・。
今や深夜テレビの知識人として有名な筒井康隆大先生(SF作家)様ですが、この駄文にも名が上がるほどぶっ飛んだ作品を世に出しております。
 その大先生、かつてはこんな事を。
「心に浮かんだ妄想を大事に暖めておく」
 って、感じのことをおっしゃっておりました。
 この一言がどういうことになるかって?
 筒井康隆様FANに取っては、あの有名すぎる「○ンコ切り」のエピソードがあります。
 事件はある日のこと、先生実家のお庭にて、ウ○コをひねりだし、ナイフとフォークでもってウン○をさっくり切ってしまったそうです。
 なぜ?なぜなら、先生曰く「○ンコ切ってみたかったし、ウ○コ切ったらどんなんか見たかった」そうです。
 ・・・多少考え、「理解不能」なんて思った時点で、センスオブワンダー終わり。
 結論をでっち上げろと言うのなら、センスオブワンダーなんて目指さずとも、ナニカちょっと変わったことをするので充分だと思うのです。
 ここまでハードル上げておいて何ですが、心に真のセンスオブワンダーを持つなら、TRPGの基本ブックとサプリメントをぱらぱらナナメ読みする程度で、「これは何なん???」って事をやらかす人も、多分どこかにいるとは思います。どこかにいないかなぁ?
 なんにしても、センスオブワンダーの道のりは、遠いなぁ・・・・

平成23年2月会報掲載
11/03/31 00:58更新 /

■作者メッセージ
 えぇ、こうまで書いても、センスオブワンダー大好きです。
 大好きだからこそ、その不条理にいつも直面するのです。
 タイトルは、言わずと知れた円谷プロ制作の傑作古典特撮番組「怪奇大作戦」
 これに比べると、あまりにもけちくさい話なので、微作戦です。

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これはGM足るものシックセンスに目覚めろ!
そういうことですね、よくわかりますw
 ほっし〜 11/03/08 00:56 評価:面白かった。
このコラムについて自分が書くよりも良さげな文章が見つかったので抜粋します。
出典:センス・オブ・ワンダー | iwatamの個人サーバ

センス・オブ・ワンダーとは、直訳すれば「不思議感」とでもなろうか。世の中の様々なことに対して、不思議を感じる感覚である。これは「感覚」なので、理性の範囲外にある。

(中略)

不思議感というのは、自分の持っている常識、あるいは固定観念をひっくり返す役割をする。こういったものを時々ひっくり返すことで、新しい角度からものを見ることができ、今まで見えていなかったものが見えてくる。不思議感がないと、常に同じ方向からしか見ないため、隠れた部分は永遠に見えないままになってしまう。

この理屈で作られてる作品はイロイロ在るけど最近だと
「まどか☆マギカ」ですかねぇ。
まぁ、こう言うのもセンスオブワンダーではないでしょうか?
 草薙 武尊 11/04/19 01:21 評価:面白かった。
えぇまぁ、今回の駄文は、センスオブワンダーをやった側の「ドヤ顔」具合がドヤするほど、受けた側の「?」も大きいということです。
目指すんなら、受ける側の理解など大きく逸脱する思いつきをしましょう。
  11/04/21 19:41

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