読切駄文
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青 壱号 事件
 タイトルの意味は後ほど。欺すつもりなので、深読みはほどほどに。
 今回は前回と打って変わって、カタい頭をヤワラかくするため、頭をハードに使っていこうというのが今回のお話。
 頭が固いという事ですが、思考してみてもニッチもサッチもいい案が浮かばない、そして思案内容が定点をグルグル回り始め、打開的アイディアが出てこない。そんなフリーズ状態を表すことなんでしょうか?
 もしくは、いっそのこと開き直り、自ら考え自ら結論、検証なんかは一切なしでそれが正しい、で硬直した状態とでも言うのでしょうか?
 固い頭を育成するのは、何でしょう?一つは固定観念、それは間違えないでしょう。
 頭がヤワラかチックな人々なんかは、「固定観念にとらわれるな」なんて、したり顔で言ってきそうな感じですが、それはそれで無責任な発言!不親切きわまりない一言だと思うんです。
 固定観念なんて漠然とした言葉を出すのがイカンのです。もっと分かり易いところから行きましょう。
 ということで担ぎ出すのが「記号」
 記号といったら記号です。地図記号の記号、音楽で言えば、スコアなんて上から下まで記号しかないでしょう。
 この場合の記号とは何か、記号が表す機能をここでは「記号一つに付き意味が一つ付く」ということにしておきます。
 例えば地図記号。地図上の◎は市役所、○は町村役場などなど。とりあえず◎や○を知っていれば、地図上の市役所や町村役場があるかがわかります。えぇ、地図を見る上で、それ以上の意味もそれ以下も必要ないでしょう。
 も1度、記号「◎」に付き意味「市役所」が一つ付きます。
 ま〜そんなこと言ってもひねくれ者なら、「◎に2つも3つも4つも意味を考えてやるぜぃ」なんてことを言いそうですが、そうではないんですよぉ〜!
信号機の赤信号を見ればどうすればいい、と、小さな子供に教える時、「トマレ」以外のことを教えるなら・・・・交通事故の被害者が増えないことを祈るばかりです。
 記号一つに意味が一つ付く。このことが頭の働きにどう影響してくるかと言えば、答えはこう。
「見たら意味ワカル」(何だこのネット的頭の悪い一文は!)
 いやいや、記号を使うと言うことの、も少し根本的な理由をまじめに考えると、考えることの省力化、つまり楽なんです。
 そ〜ですよ、考えて考えて正しい答えを出すなんて、事によったら次の日寝込んでしまうほどの重労働なんですよ。
 これは、社会生活なんてやつに多少でも関わっていると、記号人生もやむなし。「記号には縛られない逝き方をしてやるぜよ」なんてやってれば、悪い意味で不器用な逝き方しかできなくなってしまいますよ。
 だがしかし、だがしかし、ここまで書いたからこそ、やってはいけないことを挙げねばならないのです。
 敢えて言おう、人に迷惑かかるから言おう、もったいつけてこう言おう
「記号を勝手に作る」
のは、ダメですよ。
 そう、思考過程を楽したいからといって、勝手に記号を作っちゃいませんか?
 アメ○カ人は陽気で、イギ○ス人は紳士、このところの中○人は拝金主義etcetc
 さっき言ったところですよ。「記号を作るな」と。
 さて、TRPGやってる上で、問題解決能力がなんだか貧しいと思うのも、このあたりに原因があったりなかったりと、思うのですが。
 システムに書いてあるからって、勝手に記号化してないかい?
 実物をあげてみるなら、殺戮者=敵 エミュレーター=敵 天使=敵 天使化=即抹殺(タイトルは省くから、勝手に調べてちょうだい)
 TRPGの事物を記号で捕らえている方々に、もう一度言います。
「勝手に記号化して捕らえるな」
 現実世界でも同じ事。誰かが勝手に作った記号が一人歩きをし始め、本来なくてもいいややこしい問題があっちこっちで出てるでしょう。人種差別もそう、宗教紛争の根本もそう、ヲタクがいまいち世間から浮いているのもそう。
 記号なんて、例外のない狭く狭く限定された決まり事しか通用しませんよ。 民族や国民性なんかが記号にされるって、今見ると無理がある、そう思えるっていただけると有難い。
 もちょっと卑近な、TRPGのお話に戻りましょう。
 TRPGの問題解決能力の邪魔をするのは、こういった記号的考え方だと思うのです。△△は○○と記号化されたオブジェクト的発想しかないと、それ以外の意味を持ち出された瞬間を思うと・・・涙で先が書けません。
 そう、考えに考え同じ結論しか出てこない。その結論ではシナリオの難関を突破できない。ならば、どこかで記号化のワナに陥っているかも知れない。探せ探せ記号を探せ!
 見つけた記号をどうするか?クリティカルシンキングで分解しちまえ!
 社会生活とお仕事学業などは、記号をうまく活用し、それで流れていくきべき空間なんでしょう。
 しかし、ここはTRPGを全力で遊ぶ空間だと思っている。
 ならば、思考をテクニックで展開し、多面で事象を捉え、記号を探し(自覚し)そいつを解析しちまえ。
 頭の中でのたうち回り、そこまで事象を捉え、シナリヲに光を当てるなら、漫然とやってたTRPGが「何となく面白かった」から「スゲェ」と思う時間に変わる・・・かも知れません。
 さぁこれからTRPGを使用とする皆様、これは遊びだ。だからこそ一切手を抜くなよぉ!
 で、蛇足ですが、タイトルの青壱号事件、表向き一切の意味はありません。 この一文を読む前に青に記号を感じていたか、それとも壱号か、事件がそれか、と思われた方。記号に気がつくと言うことは、案外こう言うことかも知れません。それだけです。

2010年6月例会会報掲載

11/03/31 00:34更新 /

■作者メッセージ
 TRPGプレイヤーの難事解決能力の低さに切れかかった時の駄文。
 記号だけじゃありませんが、これをとっかかりにして、聡明な思考に目覚める人が出現することを切に願う。

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