日本という国は、正義というヤツに軸がない。人間もちょっと長く生きていくと、叩いて埃の一つや二つは出る物でしょう。でも、マスコミやネットに現れる悪いやつには、その時々の流行でピックアップされている対象はころころ変ってる気がするんです。
　ある時期は住所不定無職の人、時期が変ればグレイな部分でお金を儲けた人とか、その時期時期によって、少年・政府・政治家Etcと目に見える悪いやつが次々と変っていきます。
　悪いことをしていれば、それ相応に当局なりから、がつんとやられていると思いたいのですが、ただその時の流行で表に引き出される悪いやつが晒されるなんて、運がないでは済まされないほどの不条理。
　で、このところやり玉に挙がっているのが、組織という物。よく見るのが会社の代表者なんかが記者会見なんかで頭を下げているシーン。そんな場面をよく見ているような気がするんです。
　でもって、TRPGの世界でもなんだか組織不信が横行しているような気がするんです。
　現代物から近未来物TRPGシステムの組織って、なんだかプレイヤーキャラクターを裏切ってしまいそうな雰囲気があるのです。
でも、構成員を裏切る組織なんて、存在自体を否定するほどの自己矛盾を抱えているのです。
　時間と費用のリソースからその辺のことを考えると、信用できない組織からのお仕事依頼や情報来たとき、もったいない状況が発生するんです。
まず、そのお仕事なり情報に依存する必要がないなら、ポイッすれば済む話なんです。
　状況がそれを許さない場合、そうしたお仕事や情報に依存しないといけなくなったらどうなるのか、多分思いつく限りの裏を取り、可能な限りの予防線を張りまくる、そうしないと恐ろしくてやってられません。
　構成員がそんな感じなら、組織の上の人々はどう思うのか。自分の処の構成員が病的なまでに慎重な動きを見せると、ま〜お仕事は遅れに遅れるでしょう。伝えたはずの情報が生かされず、２重３重の情報収集の手間が発生し、それがお仕事の遅れにさらなる加速を付けてしまう。そんな状態だったら、うえの人々はど〜やってそんな構成員を斬ってやろうかを考えたくもなる物でしょう。
　そう、お仕事の依頼や情報伝達だけでもある程度コストがかかるはずですから、それをポイッした段階でその費用、マルっと無駄。仕事の裏取りと予防線構築を全力でがんばったなら、その安心料でお仕事自体が赤字って事にもなるんでしょうね〜
　我が心の師匠からのお言葉は、信頼が最も効率的なコストダウン策、なんだそうです。個人情報保護がどうとか、産地偽装を証明するとか、以前に比べると面倒な世の中になったと思いませんか？そう思う所が、余分なコストと思って欲しいんです。
　組織の側が時々情報を必死に隠そうとする事も、組織不信の原因になることがありますが、これも無闇矢鱈に情報を行き渡らせると、情報を持った人が迷惑を被ることがあるからと思えるのです。
　そうですね〜、組織上部から某国の核兵器の配置情報をマルっと貰ってしまったとしましょう。そのん時間後には、その情報が欲しいって人々から熱烈なお誘いがくること間違いなしでしょう。
　現実問題では、当てにならない組織がわんさか発表されますが、折角TRPGってフィクションをするんですから、命預けてナンボッてぐらいの組織をどんと出してみたい物ですし、命を預けてみたい物です。
　そうでないと、TRPGのプレイ内容のほとんどが、お仕事や情報の裏取りなんかで占められてしまうようなゲームって、笑い話ですよ、本当に。

■作者メッセージ
　心の師匠の一人、養老孟先生のお言葉「最大のコストダウンは、信頼」から造った駄文。
　ちまたの噂では、スタート時点から、すっころんでしまえというシナリオもあるとか無いとか？そんな運のないシナリオに当たった方々、ご愁傷様。
　造った方々、しかるべき所に墜ちろ。