読切駄文
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モ・ザ・イ・クの好意
 モザイクと聞いて発情できるのは、特定ジャンルの映像の見過ぎによる条件反射。体質改善をお進めします。初っぱなから下ネタで失礼。
 それはさておき、世の中美少年美少女キャラが量産されています。昔昔の状況なら、これはというメインキャラ、主人公や準主役の造形に力が入っているけれど、その他大勢はその他大勢なりの書きやすさ優先的な感じがありましたが・・・今やその準主役クラスが多くて多くて、いわゆるギャルゲー焼き直しアニメのオープニングでも見よう物なら、その1分少々の時間でお腹いっぱいな感じがするのは年のせいでしょうか?
 しかしながら、好きな人にはもうとんでもない天国状態なんでしょう。この美形キャラてんこ盛り状態の今って。
 ここで勘のいい人なら、美少年美少女キャラの量産ってところに引っかかると思いますが、ここからその量産のカラクリを見ていこうと思います。
いきなり結論ですが、この頃のキャラクターの作り方は、パーツ・モジュールの組み合わせがほとんどなんです。う〜ん、言葉を換えると属性の寄せ集めといった方が判り安いかな?
 例えば外見なら、メガネ・ツインテール・見た目小学生・ツルペタ・けしからんちち・アホ毛等々。性格行動なら、ツンデレ・ヤンデレ・委員長・ひたすらクール・天然・どじっ子。服装になると、セーラー・ブレザー・スク水・ニーソ・メイド服う〜む、無限に出てきそうだ。
 てな具合に現代の美少女キャラクターを例に取ると、これらのパーツをうまく持ち寄ってPONと出してしまえばOK、さぁバカスカ量産開始だって事になります。いろいろなキャラクターを見て思うことがあるでしょう、今見てるキャラは前に○○に出てたキャラのパクリか?って。でもこれは、上記の説で言えば、似たようなパーツを選択してできあがった結果、似たようなキャラクターになってしまったんだと。相性のいい組み合わせを考えればそんな傾向が出てくる物なのでしょう。
 んでもって現状は、ある作品の兄弟姉妹が別の作品に出てる?って錯覚が起きそうな状況です。
 さて、この世にはラノベを真っ正面から文学論してみようと考える人もいます。そこから説を引っ張ってくると、ラノベの文学的特徴は、キャラクター性が重視されていて、物語が欠如しているもしくはたやすく成立してしまう、そういう文学と言われています。
 これって、TRPGのことを少しでも深く考えた人には思い当たることがあると思います。TRPGの構造ってラノベに近いんです。
 TRPGのキャラクター作成は能力値や特徴特技といったパーツの組み合わせであること、システムによっては、その名前や性格設定までパーツ化されたものまであります。
 で、TRPGの物語方面のことを見てみれば・・・まぁあまり誉められたことではないのですが、ゲームマスターやプレイヤーの能力があれば、シナリオの中身をどこまでも削っていける物だと思うのです。それでもTRPGが始まってしまえば、結果はどうあれ終わりを迎える物です。
 この現象って何もないところからポッと物語が発生してやしませんか?不幸な方向に傾けば物語そのものが成立しないこともままあります。でもどれはそれでおもしろかったという、物語なしでTRPGの1席が成立してしまったととなるのです。そしてそれなりにおもしろかったと言うこととなります。
 これ以上は、ラノベ批判に流れが行ってしまうのでここまでと言うことで。
それにしても、萌えなる現象は実に人間の社会的機能を応用した文化だと思うのです。
 何のことかって?例えばツインテールのツンデレキャラに萌える人にとっては、それが文章でもイラストでもアニメでも、うまくいったらTRPGですら萌えるのです。
 人の物事の見方の話ですが、名前の付いた物には共通認識を持ち、媒体が違えど似ている物ならオリジナルと同等かそれに近い反応をするという特性があります。
 前者は物の認識の学問によく出てくる概念で、例えば、リンゴと言われれば、実物のリンゴだろうが林檎だろうがイラスト写真を見せられようが、それは人間の認識では林檎なのです。ちなみに動物の認識はこれができず、先ほどの例で説明するなら、実物・漢字で書かれた何か・イラスト・写真と、そこに林檎を見ることがないと言われています。
 そしてもう一つの特性、例えば青少年以上の男の子がお世話になっている女性の肌面積の多い写真などですが、それは生身の女性でないはずにも関わらず、趣味さえ合えば生身の存在以上にアレな反応ができてしまう。それが今や生身の存在があり得ないイラストでさえ、肌面積の多いと思わせる事ができれば、アレな反応を発生させることができるのです。
 今、TRPGという媒体が目の前にあるでしょう。これだってそのように作れば、アレな反応を呼び起こすほど萌える媒体になってしまうと言うことです。
 恐るべき文化です。この萌えってやつは。

平成21年6月会報掲載
11/03/29 00:32更新 /

■作者メッセージ
 ラノベ・ギャルゲ文学論が、わっちの中で再骨頂を迎えていた頃の駄文。
 当然萌えってやつの考察もあるわけです。
 TRPGとラノベ・ギャルゲが妙に相性があうんです。
 それでも数字の戦いしか興味のない人には、無縁のお話しです。

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