読切駄文
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それでも殴らずにはいられない
TRPGで何かを表現したい、そう思いセッションを続け、夢破れていく。初っぱなから縁起の悪いことを語ってますが最近思ったことを一つ。
ガンダム00#20アニュー・リターナの回においてのラストシーン、ロックオンストラトスが刹那を殴ります。怒りと悲しみ全てをたたき込むように。ロックオンは、アニューリターナを助けようとした。そのアニューリターナを撃った事で、刹那を殴り続けます。
視点をTRPGに戻しましょう。
さて、物語を紡ぎ出す手法であるTRPGですが、その時のテーマが自己中や邪悪に走れと示されでもしない限り、普通その時の最善の方法をとる、そうするでしょう。
ですがその時の「正しい」の視点の違いもしくはその温度差があることを気にする人は、どのくらいいるのでしょうか?
よくある例を挙げると、「大多数の人々を助けるために一人を犠牲にする必要がある」てな状況。そうなったとき、あなたは一人を助けるか?それとも大多数の人を助けるか?状況次第といえることなんですが、それでも、どの選択肢も可否がない場合は必ずあると思うのです。
このところ主人公と準主役が対立する現況はこの用のことが多いようです。ガンダムSEED DESTINYでは、キラヤマトとアスランが平和の道への模索を巡って対立し、コードギアスでは、ルルージュとスザクがブリタニア帝国を変える方法で対立と、その過程で壮絶な殺し合いまで行ないます。
TRPGでもその気になってシナリオを作れば、そのような選択を求められることもありますが、その時最善の方法と信じて取った行動にある慢心が生まれてはいないだろうか?最善の方法だからといって、その方法の対価や代償が必要ないと、そう思いはしないだろうか?
冒頭に出したロックオンと刹那のやりとりですが、殴られる側の刹那は、何一つ言わず無抵抗で殴られ続けます。
問題となったシーンアニュー撃墜の詳細は端折りますが、その場面を端から見ればロックオンがどんなにうまく立ち回ったとしても、彼は十分危険な状況だったでしょう。そして刹那がアニューを撃たなければ、相当な泥沼的状況になっていたでしょう。
だからこそ刹那の取った行動は、ソレスタルビーイング全体のためには最善の行動のはずです。
ここで普通に考えれば、殴るロックオンに対し理を解き刹那の判断が正と主張し、殴ったロックオンが誤りと言うところでしょう。そのことは多分当のロックオンも含みみんな納得していたことだと思います。
でも、刹那はどこかで覚悟していたのでしょう。自分の信念に基づいた最善の行動を取ったとしても、その代償を受けなければならないと。頭で判っていても行き場のない感情をどこかで受けないとどうにもならないと。
TRPGの経験年数だけは長くなってきたので、自分の行動に対し何らかの結果が出ればそれで傷つく誰かがいるかも知れないと、そんな重いシナリオもこなしてきたわけです。
だからこそ、自分のしたことの対価代償が存在する物語に合いたいのです。
それが最善の方法であったとしても、いや、最善の方法だからこそそれに見合う対価代償があって欲しいのです。そうでなければ、自分のしていることが世界に対し、あまりにも脳天気だと思うのです。
そんな状況が我がキャラクターに突きつけられる。そんな贅沢がしてみたい物です。

ブログからの転載。
11/03/28 23:27更新 /

■作者メッセージ
 多分、例会用文章以外からの転載一号。
 元ネタはガンダムOOですが、ちょっと意外に思った展開だったので、キッチリ考えてみる。
 TRPGやる上でも、正しい判断=イノセント と、無意識に思っているのが、脳天気だな〜と実感。えぇ、行いに対しては相応の結果が帰ってくるのが普通です。
 周りの評価がどうあれ、自己の正当性を信じ、結果に黙って耐える。ヒーローじゃないですか、これって!

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